Tissue-specific expression of estrogen receptor 1 is regulated by DNA methylation in a T-DMR

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  • ヒトESR1の組織特異的発現はT-DMR (Tissue-dependent and differentially methylated regions) のDNAメチル化により制御される

Abstract

<p>背景:ヒトEstrogen receptor α(ESR1)は組織特異的に発現している。また複数の転写開始点を有するが,それらの転写制御メカニズムは不明である。今回,ESR1が組織特異的メチル化可変領域(T-DMR)を有し,T-DMRのDNAメチル化がESR1の発現を制御しているかについて検討した。方法と結果: ESR1を高発現(子宮内膜/乳腺),低発現(胎盤/皮膚)する組織において,転写開始点A(+1 bp),B(–321 bp),C(–1977 bp)近傍とその上流領域についてDNAメチル化状態をbisulfite sequence法で調べた。転写開始点A,BとCの近傍はいずれの組織も非メチル化状態であったが,AB上流の–1188から–790 bpの領域(T-DMR1)とC上流の–2953から–2302 bp(T-DMR2)は,高発現組織では低メチル化,低発現組織では高メチル化であった。転写開始点近傍を低メチル化に保ったまま,T-DMR1のみをメチル化させたコンストラクを用いてメチル化リポーター解析を行ったところ,T-DMR1のメチルによりレポーター活性は47.5%減少した。即ちT-DMRのDNAメチル化が実際に転写に関与することが示された。次に,モチーフ解析によりT-DMR1とT-DMR2に結合する可能性がある転写因子を検索し,EGR1を検出した。EGR1をノックダウンするとESR1の発現が有意に減弱した。子宮内膜間質細胞(T-DMR低メチル化・ESR1高発現)では,EGR1のT-DMRへの結合は,乳癌細胞株(T-DMR高メチル化・ESR1非発現)と比較して有意に高かった。結論:ESR1は転写開始点毎にT-DMRを有し,T-DMRのDNAメチル化がESR1の組織特異的な発現制御に関与していた。その機序の一つとして,DNAメチル化が転写因子EGR1のT-DMRへの結合を阻害していると推察された。</p>

Journal

Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282680693155200
  • NII Article ID
    130007024986
  • DOI
    10.14882/jrds.109.0_or2-22
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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