陽電子消滅寿命測定法を用いた生体高分子ゲルのナノ空間構造解析 Nano-structural Analysis of Biopolymer Gels Using Positron Annihilation Lifetime Spectroscopy

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生体高分子と水との相互作用を明らかにするため,さまざまな含水量における生体高分子の網目構造およびゲル中の水の束縛状態について,陽電子消滅法と熱分析を用いて定量的に調べることを試みた。生体高分子としては,コラーゲンの変性物であるゼラチンを用いた。まず,さまざまな含水率のゼラチン中の水の束縛状態を調べるため,DSC曲線から得られる融解エンタルピーの値を用いて,全含水量に対する結合水,自由水の重量%を求めた。その結果,含水量40wt.%以下ではほぼ結合水のみであり,それ以上の含水率では,含水率の増加に伴い結合水は減少,自由水は増加することが明らかになった。このような水の束縛状態の変化はゼラチンのヘリックス構造の変化に関係すると考え,陽電子寿命測定法を用いて,さまざまな含水率のゼラチンの自由体積空孔半径を調べた。その結果,乾燥ゼラチンの自由体積空孔半径は純水のそれよりも小さく,含水率が増大するにつれて徐々に大きくなり,純水の自由体積空孔半径に近づくことが分かった。これらの結果より,含水過程において,水分子が親水性であるゼラチン分子のヘリックス構造内に入り込み,へリックス構造を押し広げている可能性が示された。

Journal

  • Proceedings of Annual / Fall Meetings of Atomic Energy Society of Japan

    Proceedings of Annual / Fall Meetings of Atomic Energy Society of Japan 2006f(0), 551-551, 2006

    Atomic Energy Society of Japan

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