粘着・被覆資材によるマツノマダラカミキリ逸出抑制法の寒冷地への適用

DOI
  • 杉本 博之
    山口県農林総合技術センター林業技術部
  • 浦野 忠久
    (国研)森林機構 森林総合研究所森林昆虫研究領域
  • 中村 克典
    (国研)森林機構 森林総合研究所東北支所

書誌事項

タイトル別名
  • Application of physical contorol of Monochamus alternatus using adhesive nets and covering in cold districts

抄録

<p> マツ材線虫病対策の一つである伐倒くん蒸処理に代わる方法として、粘着・被覆資材を利用し、マツノマダラカミキリ(以下、カミキリ)をシート内から逸出させない物理的方法を開発した。本法は西日本では高い駆除効果が確認できているが、寒冷地での実績はない。2年1化カミキリが発生する寒冷地では長期間設置する必要があり、シートの耐久性等が課題になる。そこで、本法を寒冷地へ適用するための試験を実施したので報告する。なお、本研究は農食研事業(27020C)の中で実施した。 2016年5月に岩手県で本法を3箇所設置し、9月に調査し同資材で再設置した。この時点で動物にシートが破られ、翌年5月に被害は増加し補修したが、8月に1箇所で被害が発生した。一方、1年目平均脱出孔は6.3個、2年目は1箇所集積下部の5個のみであった。材内死亡率は上部集積材ほど、また、日向に設置するほど高くなることが確認できており、本試験はその条件と一致した。寒冷地では集積法や設置位置を工夫し、材内死亡率を高め、設置1年目にカミキリ密度を減少させ、2年目の逸出リスクを軽減することが必要である。また、カミキリ発生直前にはシートを確認し、補修する必要がある。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390845712964840064
  • NII論文ID
    130007375830
  • DOI
    10.11519/jfsc.129.0_176
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ