骨髄異形成症候群におけるRNAスプライシング変異

書誌事項

タイトル別名
  • Splicing factor mutations in myelodysplastic syndromes
  • 第78回日本血液学会学術集会 学会奨励賞受賞論文 骨髄異形成症候群におけるRNAスプライシング変異
  • ダイ78カイ ニホン ケツエキ ガッカイ ガクジュツ シュウカイ ガッカイ ショウレイショウ ジュショウ ロンブン コツズイイケイセイ ショウコウグン ニ オケル RNA スプライシング ヘンイ

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抄録

<p>RNAスプライシングに関わる遺伝子は骨髄異形成症候群において高頻度に変異が見られる。中でもSF3B1SRSF2U2AF1ZRSR2の4つの遺伝子は変異頻度が高い。SF3B1は環状鉄芽球増多を認める病型で,SRSF2は慢性骨髄単球性白血病で高頻度に変異が認められることから,各病型の病態と深い関係があると考えられている。RNAシーケンシングによる選択的スプライシングの網羅的解析の結果,SF3B1変異は3′スプライス部位の偏位,SRSF2U2AF1の変異は選択的なエクソンの使用と,それぞれ関連があることが分かった。これはタンパク質構造予測や,培養細胞やマウスモデルを用いた検討でも確かめられた。スプライシング異常の標的遺伝子として,SF3B1変異ではABCB7PPOXといった細胞内鉄代謝やヘム合成と関連する遺伝子が同定され,環状鉄芽球増多の原因となっている可能性が考えられている。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 59 (5), 566-573, 2018

    一般社団法人 日本血液学会

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