Brooke-Spiegler症候群の1例

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タイトル別名
  • A case of Brooke-Spiegler syndrome
  • Brook-Spiegler症候群の1例
  • Brook-Spiegler ショウコウグン ノ 1レイ

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抄録

55歳女.初診の2年前から前頭部にときに自発痛のある結節を自覚.緩徐に増大し,次第に痛みが強くなってきたため受診した.当科初診時,前頭部正中に大きさ10×8 mm大の表面平滑な淡紅色のドーム状結節あり,ダーモスコピーでは淡紅色の背景に,樹枝状血管が著明であった.またこれとは別に,顔面とくに前額部,鼻唇溝,下顎などに常色米粒大の小結節が密に多発する.毛包に一致せずダーモスコピーでは中央が白色に透見してみえた.前頭部の結節と,下顎の小結節1つをそれぞれ全摘し,病理組織学的にそれぞれ円柱腫と毛包上皮腫と診断した.患者の母,妹,2人の息子と娘に同症状があり,29歳長男の顔面の小結節についても毛包上皮腫と診断した.遺伝子解析を施行し,発端者と長男ともにCYLD遺伝子に変異をみとめ,遺伝形式は常染色体性優性遺伝であった.Brooke-Spiegler症候群は円柱種と多発性毛包上皮腫の合併,家族内発症を特徴とし,女性に浸透性が高い疾患である.悪性腫瘍も生じる可能性があり積極的な精査が必要である.

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参考文献 (7)*注記

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