オリゴ糖の免疫原性増強に適したキャリア分子の開発と糖タンパク質認識抗体獲得への応用

  • 奥田 徹哉
    国立研究開発法人産業技術総合研究所,生物プロセス研究部門

書誌事項

タイトル別名
  • Design of Carrier Molecules Suitable for Inducing Immunity to Oligosaccharide Antigens: Application to Anti-Glycoprotein Monoclonal Antibodies
  • オリゴトウ ノ メンエキ ゲンセイ ゾウキョウ ニ テキシタ キャリア ブンシ ノ カイハツ ト トウ タンパクシツ ニンシキ コウタイ カクトク エ ノ オウヨウ

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抄録

<p>宿主動物体内にてオリゴ糖の免疫原性を高める方法として、オリゴ糖へのキャリア分子のコンジュゲーションが用いられている。ペプチド抗原に汎用される牛血清アルブミンやスカシガイヘモシアニンでは、コンジュゲートしたオリゴ糖の免疫原性を高める作用が弱いため、ストレプトアビジンや無毒性変異ジフテリア毒素、ホスファチジルエタノールアミンを用いた改良法が検討されている。なかでもホスファチジルエタノールアミンはオリゴ糖の還元末端とのコンジュゲーションが容易であるなど、目的のキャリア分子として有利な特性も見出されているが、コンジュゲートしたオリゴ糖の免疫原性を増強する能力については十分に検証されていない。我々は超長鎖脂肪酸を含有することを特徴とするセラミドアナログと標的オリゴ糖とのコンジュゲートをマウスに免疫すると、このオリゴ糖構造を有する糖タンパク質や糖脂質を認識する抗体の産生を強く誘導できることを発見した。このコンジュゲートを免疫したマウスより、主要血清糖タンパク質のシアリル化糖鎖をエピトープ認識するモノクローナル抗体の獲得に成功し、高い親和性と厳密なエピトープ認識特異性を有することを確認した。</p>

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