乳酸酸性下において酵母が乳酸菌の生存性に与える影響

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タイトル別名
  • Influence of yeasts on the survival of lactic acid bacteria under acidic condition by lactic acid

抄録

〈目的〉乳酸酸性下における乳酸菌と酵母の共存は、発酵食品中にも広く見られるが未解明の部分が多い。当研究室では、乳酸酸性下において漬物由来酵母K25(以下K25)の共存によりLactobacillus pentosus N1(以下N1)とL. paracasei N9(以下N9)の生菌数が単独時に比べて有意に上昇すること(p<0.05)、L. brevis 133の生菌数は単独時と変わらないことを確認した1)。本研究では菌株を変え、より広い知見を得ることを目指すと共に、乳酸濃度変化による影響を検討する。〈方法〉乳酸緩衝液(pH3.0)中に乳酸菌と酵母を懸濁、乳酸菌の生菌数をコロニー計数法により経時測定し、乳酸菌単独時と比較した。上清中乳酸濃度はHPLC法により定量した。〈結果〉N1,N9,133について、それぞれ同種の他数株についても結果は同様であり、酵母の共存効果は菌種によって一律であることが示唆された。N1,N9ついて、酵母の共存時における上清中乳酸濃度は、15日後に乳酸菌単独時と比較して約5%低下したが有意な変化はなかった。また、初発乳酸濃度を同程度に低下させても乳酸菌単独時の生菌数に有意な変化はなかったことから、pH低下と抗菌作用を持つ乳酸を酵母が資化することで、乳酸菌の生存性が高まったとは考え難い。両者の共存関係についてさらなる究明が望まれる。1)平井ら、環境微生物系学会合同大会2017

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763024502784
  • NII論文ID
    130007420488
  • DOI
    10.11428/kasei.70.0_84
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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