宮沢賢治「オツベルと象」と〈第三項〉

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タイトル別名
  • The “Third Term” in Kenji Miyazawa’s “Otzbel-to-zou”
  • ミヤザワ ケンジ 「 オツベル ト ゾウ 」 ト 〈 ダイサンコウ 〉

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抄録

<p>私たちは、自分の使うことばの世界から出ることはできない。それゆえ、ことばの外にあるものを捉えることはできない。しかし、真の意味はことばの外から来る。私たちが真の世界へと近づくためには、自分の内部に築いたことば(=偶像)を否定し続けることが必要である。このような田中実氏の読みの理論は、唯一の神への接近を説いた「モーゼの掟」と似ている。「オツベルと白象」は、異世界のことばと接するときに生じた悲劇を描いたものである。</p>

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 62 (8), 62-72, 2013-08-10

    日本文学協会

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