薬剤誘発ラット肝障害モデルにおけるHigh-mobility group box1の炎症誘導因子としての役割の解析  [in Japanese] High-mobility group box1 as an inducer of inflammation in chemical induced rat liver injury  [in Japanese]

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Abstract

<p>【背景・目的】虚血・再灌流による器官障害では,虚血に陥った細胞から放出されるDamage associated molecular patterns(DAMPs)の中でもHigh-mobility group box1 (HMGB1) と,受容体であるToll様受容体(TLRs)や終末糖化産物受容体(RAGE)が炎症を惹起すると考えられている.一方で,薬剤性肝障害におけるDAMPsとその受容体に着目した炎症の進展機序は明らかになっていない.チオアセトアミド(TAA)誘発ラット肝障害モデルを用い,化学物質により誘発される肝障害機序の一端を明らかにする目的で,HMGB1の発現や関連する炎症細胞の動態を解析した. 【材料・方法】6週齢F344雄ラットにTAA(300 または50 mg/kg BW)を単回腹腔内投与し,300 mg/kg投与群は投与後10時間から7日,50 mg/kg投与群は投与後6時間から3日まで経時的に採材した.また,TAA 50 mg/kg投与6時間後に抗HMGB1中和抗体(200 µg/head)を経尾静脈投与し,TAA投与24時間後に採材した. 【結果】300 mg/kg,50 mg/kgのTAA投与により小葉の中心静脈領域の凝固壊死に続いて単核球の浸潤がみられた.300 mg/kg投与でHMGB1とTLR4の発現量はともに投与後2日,3日で有意に上昇した.50 mg/kg投与ではHMGB1の発現量は6時間後からわずかに上昇する傾向が認められた.TAA投与後に抗HMGB1中和抗体を投与すると,ALTとASTの値はTAA 50 mg/kg単独投与より上昇が抑制された.さらに,抗HMGB1中和抗体投与群では中心静脈領域のマクロファージ数の減少,炎症性サイトカイン(MCP-1,IL-6)の発現低下がみとめられた. 【結論】TAA投与により肝細胞傷害に続いてHMGB1の発現量が上昇した.さらに,HMGB1を中和することによって,肝細胞傷害が軽減された.HMGB1が炎症性サイトカインの放出促進を介したマクロファージの浸潤に関与していることを初めて明らかにした.今後,HMGB1が炎症性サイトカイン放出にどのように関与しているかを検討する予定である.</p>

<p>[in Japanese] </p>

Journal

  • Annual Meeting of the Japanese Society of Toxicology

    Annual Meeting of the Japanese Society of Toxicology 45.1(0), P-55, 2018

    The Japanese Society of Toxicology

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