パースルフィド・ポリスルフィドとの反応を介した環境中電子受容体のレドックスサイクルで生じるチイルラジカル  [in Japanese] Formation of thiyl radicals during reaction of persulfide/polysulfide with environmental electron acceptors  [in Japanese]

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Author(s)

    • 安孫子 ユミ ABIKO Yumi
    • 筑波大学医学医療系|筑波大学大学院人間総合科学研究科 Faculty of Medicine, University of Tsukuba|Graduate School of Comprehensive Human Sciences, University of Tsukuba
    • 熊谷 嘉人 KUMAGAI Yoshito
    • 筑波大学医学医療系|筑波大学大学院人間総合科学研究科 Faculty of Medicine, University of Tsukuba|Graduate School of Comprehensive Human Sciences, University of Tsukuba

Abstract

<p> 我々はディーゼル排出微粒子およびPM2.5中の主要多環芳香族炭化水素キノン体である9,10-フェナントラキノン(9,10-PQ)が、レドックスサイクルを介して過剰のROSを産生することを見出した。また、9,10-PQは、ジチオール化合物であるDTTおよびジヒドロリポ酸により一電子還元を受けて9,10-PQセミキノンラジカル(9,10-PQ•<sup>−</sup>)に変換され、このものが分子状酸素と反応してスーパーオキシドを産生することを明らかにした。さらに、本反応系で生じた不安定なチイルラジカル(R-S•)をDMPOアダクトとして検出した。一方、per/polysulfidesがDTTのように9,10-PQとレドックスサイクルを形成するか不明である。本研究では、persulfide(S<sub>2</sub>)/polysulfide(S<sub>3</sub>およびS<sub>4</sub>)と9,10-PQとの反応性を検討した。9,10-PQをNa<sub>2</sub>S<sub>2</sub>と反応させると、反応時間依存的な溶存酸素の消費が見られ、9,10-PQ•<sup>−</sup>およびR-S•を示すピークをそれぞれESRにより検出した。また、R-S•のピークは反応後20分まで持続して検出されたことから、比較的安定なパー/ポリチイルラジカル(R-S<sub>n</sub>•)であることが示唆された。電子受容体として、ビタミンK<sub>3</sub>、ピロロキノリンキノンおよびユビキノンをそれぞれNa<sub>2</sub>S<sub>2</sub>と反応させたところ、同様に溶存酸素の減少が見られ、それぞれキノンラジカルおよびR-S<sub>n</sub>•が検出された。Na<sub>2</sub>S<sub>2</sub>との反応で見られたラジカル種の産生は、モノスルフィド(Na<sub>2</sub>SおよびGSH)との反応では認められなかった。以上の結果から、9,10-PQのような環境中電子受容体は、per/polysulfidesによる一電子還元反応の結果、9,10-PQ•<sup>−</sup>に変換されるとともにR-S<sub>n</sub>•を産生することが明らかとなった。9,10-PQは電子伝達系の"電子受容体"として結果的に細胞内恒常性を破綻する可能性が考えられる。一方、per/polysulfidesが電子伝達系の一端を担っていることが明らかにされ注目されており、9,10-PQによるper/polysulfidesとのレドックスカップルを介した電子伝達系の変動を引き起こす可能性が示唆された。</p>

<p>[in Japanese] </p>

Journal

  • Annual Meeting of the Japanese Society of Toxicology

    Annual Meeting of the Japanese Society of Toxicology 45.1(0), P-117, 2018

    The Japanese Society of Toxicology

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