外生菌根菌ショウロの土壌内および寒天上における耐塩性比較

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  • Comparison of salt tolerance of ectomycorrhizal mushroom <i>Rhizopogon roseolus</i> in soil and on agar
  • Comparison of salt tolerance of ectomycorrhizal mushroom Rhizopogon roseolus in soil and on agar

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抄録

ショウロRhizopogon roseolus は,海岸砂地という特殊な環境でマツ科の樹木の根に外生菌根を作り共生する典型的な外生菌根菌である.突然変異と交雑育種方法を用いてショウロの好塩性菌株を育成したことが近年報告された.しかし,土壌における耐塩性を評価した研究例はないのが現状である.本研究では,砂土壌をもいて土壌の中における耐塩性を調査し,さらに,土壌と寒天培地における菌糸成長の相関性を比較分析した.その結果,すべての菌株は砂土壌でよく生育し,土壌表面において多量の菌糸がコロニーを形成した.非塩土壌においての菌糸成長は,寒天培地での菌糸成長と有意な正相関関係を示した.また,100%の海水塩分土壌における菌糸成長も100%海水塩分寒天培地での菌糸成長と正相関関係を示した.これらの結果から,ショウロ菌糸体は寒天培地よりも土壌中の塩に敏感であり,砂土壌はショウロ菌株の耐塩性評価に有用であることが示唆された.

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