ウシ超早期妊娠因子測定のための酵素免疫測定法

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タイトル別名
  • Enzyme-linked immunosorbent assay for the bovine super early pregnancy factor measurement

抄録

<p>【目的】超早期妊娠因子(Super-EPF)は,ヒトを含む哺乳動物の妊娠初期母体血清中で検出される妊娠特異的なタンパク質である。当研究室では,ウシSuper-EPFを検出するための酵素免疫測定法(ELISA)を構築した。本研究では,Super-EPF ELISAによるAI-7日目の妊娠診断,妊娠から分娩までの期間の変動,採卵と胚ランクおよびIVF受精卵培養上清との関連性について検討した。【方法】AI-7日目のウシ妊娠血清からSuper-EPFを精製し,ウサギ抗ウシSuper-EPF-IgGを作製した。このIgGは妊娠血清のSuper-EPFを中和した(ロゼット抑制試験:RITestとELISAにて確認)。抗原は希釈したウシ血清あるいは受精卵培養上清を固相化し,一次抗体はSuper-EPF-IgG,二次抗体はBiotin-ウサギ-IgGおよび,Streptavidin-HRPを使用した。56頭のAI時とAI-7日目の血清112検体を適用した。また,AI(N=10)とET(N=3)後から分娩までの妊娠経過に伴うSuper-EPFの変動を検討した。さらに,採卵による変動と,採取した胚のランクとの関連性および,受精卵胚培養上清との反応について検討した。【結果・考察】AIの妊娠診断率は89.3%であった。AI直後から吸光度は上昇し,AI後7~21日までその吸光度を維持した。AI後30日頃から吸光度は徐々に低下した。ETも同様に妊娠初期で吸光度が高くなり,受精から着床に向けてSuper-EPFが産生されることが示唆された。また,採卵によってSuper-EPFは消失したことから,Super-EPF産生に受精卵が関与していと考えられる。これらの結果は,RITestによる以前の我々の結果を支持した。さらに,胚のランクと吸光度に相関はなかった。本法に受精卵培養上清を適用した結果,培養培地と比較し吸光度は危険率5%で有意に高かった。さらに詳細な検討を行うことで,本法はウシの妊娠極初期の新たな研究用ツールになり得る。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390564238024535680
  • NII論文ID
    130007488805
  • DOI
    10.14882/jrds.111.0_p-45
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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