粉砕貝殻の粒子特性がカドミウムイオンの吸着能に及ぼす影響

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  • 山中 真也
    室蘭工業大学大学院工学研究科くらし環境系領域
  • 森本 夏未
    室蘭工業大学工学部応用理化学系学科
  • 神田 康晴
    室蘭工業大学大学院工学研究科くらし環境系領域

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of Ground Shell Properties on Adsorption Characteristics for Cadmium Ions
  • フンサイ カイガラ ノ リュウシ トクセイ ガ カドミウムイオン ノ キュウチャクノウ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

貝殻の大部分は産業廃棄物として処理されており,産業上の有効活用が求められている.本研究では,アラゴナイト型のアコヤ貝殻,カルサイト型のホタテ貝殻を粉砕して,貝殻の比表面積や結晶性がCd2+イオンの吸着量に及ぼす影響について検討した. 粉砕により作製した,比表面積が同程度の貝殻粉体(アコヤ貝殻は9.0 m2/g,ホタテ貝殻は12.3 m2/g)で比較すると,Cd2+イオンの除去率はアコヤ貝殻で84 %,ホタテ貝殻で23 %であり,アコヤ貝殻(アラゴナイト)の方が高かった.また,カルサイト型のホタテ貝殻,および試薬炭酸カルシウムでは比表面積の増加に伴って高くなった.カドミウムイオン吸着前後の結晶構造を比較したところ,ホタテ貝殻では吸着の前後で結晶構造は変わらなかった.一方,アコヤ貝殻では,吸着後の試料においてアラゴナイト型炭酸カルシウムの他に,炭酸カドミウムのピークも検出された.以上のことから,Cd2+イオンの吸着量が,物理吸着の場合には貝殻の比表面積に,イオン交換反応の場合には粒子の結晶性に大きく影響することを明らかにした.

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