青森県におけるタマネギ春まき作型に適した品種評価

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タイトル別名
  • Evaluation of Onion Varieties Using Spring-sowing Method in Aomori Prefecture
  • 新技術 青森県におけるタマネギ春まき作型に適した品種評価
  • シン ギジュツ アオモリケン ニ オケル タマネギ ハルマキ サクガタ ニ テキシタ ヒンシュ ヒョウカ

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抄録

<p>国産タマネギの流通は,6月下旬から9月上旬に市場流通量が一時的に少なくなる端境期が存在し,需要の不足分を海外からの輸入タマネギに頼っている.青森県では,暖地型の秋まき栽培が行われているが,気象条件より収穫量が不安定なことや,同時期に栽培されるニンニクとの競合により栽培は盛んではない.しかし,青森県津軽地域で春まき作型(2月播種,4月定植)を行うと7月中旬~8月上旬の端境期に収穫できる可能性が示されたことから,8品種を供試して3年間にわたって栽培試験を行い,この作型に適するタマネギ品種を検討した.供試した8品種の茎葉倒伏日は7月上旬から下旬にかけて,収穫日は7月中旬から8月上旬の端境期となり,品種間差が認められた.‘ケルたま’および‘マルソー’は,7月中旬から収穫できる品種で,腐敗率も少ないため,早期に安定した生産が可能であった.‘北もみじ2000’および‘オホーツク222’は,収穫時期が7月下旬から8月上旬で,収量が高く,腐敗率の低さや規格内率の高さも安定していること,貯蔵性も有することから,本作型においては,貯蔵・長期出荷が可能な品種として特徴づけられた.また,‘クエルゴールド’はフラボノイド配糖体含量が顕著に高く,高機能性品種として差別化が可能であると考えられた.また,さまざまな品種特性をレーダーチャートで視覚的に示すことが可能であった.青森県はタマネギの新たな産地として,産地化や普及にあたっては生産者や市場の多様なニーズに合わせた品種選定が必要であるが,レーダーチャートを用いた視覚的な評価手法は,品種の多面的評価に有効であると考えられる.</p>

収録刊行物

  • 園芸学研究

    園芸学研究 17 (3), 359-367, 2018

    一般社団法人 園芸学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (9)*注記

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