<b>⌈日本における傷病名を中心とするレセプト情報から得られる指標のバリデーションに関するタスクフォース⌋ 報告書 </b>

書誌事項

タイトル別名
  • <b>Task Force Report on the Validation of Diagnosis Codes and Other Outcome Definitions in the Japanese Receipt Data </b>
  • 「日本における傷病名を中心とするレセプト情報から得られる指標のバリデーションに関するタスクフォース」報告書
  • 「 ニホン ニ オケル ショウビョウメイ オ チュウシン ト スル レセプト ジョウホウ カラ エラレル シヒョウ ノ バリデーション ニ カンスル タスクフォース 」 ホウコクショ
  • Task force report on the validation of diagnosis codes and other outcome definitions in the Japanese receipt data (in Japanese)

この論文をさがす

抄録

<p>目的:バリデーション研究は,医療情報データベース (DB) を用いる研究・製造販売後調査の信頼性を高めるために必要となることがある.日本薬剤疫学会はタスクフォースを設置し,日本でのバリデーション研究の在り方を検討した.</p><p> 方法:教科書やガイドラインの記載,国内外のバリデーション研究の (1) DB の種類, (2) セッティング,(3) アウトカム定義,(4) リンケージ,(5) ゴールドスタンダード,(6) サンプリング方法・サイズ,(7) 妥当性の指標,(8) 指標の閾値・利用法を検討した.</p><p>結果:Strom 編の教科書第 5 版 41 章に記載が見られたが,バリデーション研究自体に関するガイドラインはなかった.検討した研究では (1) 多様なDBが,(2) “populationbased” ,または少数の医療機関で,(3) ICD コード単独の,または薬・検査などと組み合わせたアウトカム定義で,(4) リンケージを通常利用し,(5) カルテレビュー,疾患登録などをゴールドスタンダードとして,(6) 様々な (ゴールドスタンダードに強く依存する) サンプル方法,サンプルサイズで,(7) 感度,特異度,陽性的中度,陰性的中度の全て,または陽性的中度のみを評価していたが,(8) 指標の閾値を示したものは稀であった.</p><p>研究実施の手順では,リサーチクエスチョンの明確化がまず重要である.日本では,病院単位で実施することが当面多く,対象集団の特徴の明確化,サブグループごとの指標値の報告,偽陽性・偽陰性例の特徴づけが推奨される.アウトカム定義は複数評価すべきである.カルテレビューによる研究では,ランダムサンプル全例,アウトカム定義 Yes/No で異なる割合で抽出したサンプル, “all possible cases” のレビューが選択可能である.指標の閾値の絶対的基準の設定は難しい.</p><p>考察・結論 : バリデーション研究はデータベース研究の質を大きく高めうる.今後,バリデーション研究の環境の向上を,国民的理解の下に実現すべきである.</p>

収録刊行物

  • 薬剤疫学

    薬剤疫学 23 (2), 95-123, 2018-09-20

    一般社団法人 日本薬剤疫学会

被引用文献 (8)*注記

もっと見る

参考文献 (67)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ