慢性期脳卒中患者の麻痺手運動時における同側大脳半球の活性化 —近赤外分光法による検討—

  • 武田 湖太郎
    国際医療福祉大学臨床医学研究センター神経内科 国際医療福祉大学臨床医学研究センターリハビリテーション科 科学技術振興機構CREST
  • 五味 幸寛
    国際医療福祉大学臨床医学研究センターリハビリテーション科
  • 今井 樹
    那須脳神経外科病院
  • 下田 信明
    科学技術振興機構CREST 国際医療福祉大学作業療法学科
  • 加藤 宏之
    国際医療福祉大学臨床医学研究センター神経内科 科学技術振興機構CREST

Search this article

Abstract

脳卒中などで障害された脳では神経ネットワークの再構築が行われていると考えられている. 我々は近赤外分光法を用い, 慢性期の脳卒中患者における麻痺手運動時の大脳皮質内血中ヘモグロビン濃度変化を計測した. 発症後1年以上経過した片麻痺患者7名(右片麻痺5名, 左片麻痺2名), および, 健常成人5名を対象とし, 手指屈曲伸展運動によって活性化する一次感覚運動野を左右半球で比較した. その結果, 健常者および患者の非麻痺手運動時には対側優位の脳活動を示したのに対し, 患者の麻痺手運動時には患者7名中6名で同側の一次感覚運動野が活性化された. これらの現象は脳卒中後に生じた機能代償や再構築の結果生じたと考えられる. また, すべての患者で麻痺手運動時に右大脳半球が活性化しており, 運動イメージによって右中心前回や右上頭頂小葉などが活性化している可能性も示唆された.

Journal

Citations (2)*help

See more

Details 詳細情報について

Report a problem

Back to top