加熱実験による石筍中の流体包有物の酸素同位体再平衡の評価

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タイトル別名
  • Evaluation of Isotopic re-equilibration of fluid inclusions in speleothem by artificial heating

抄録

<p>石筍中に含まれる流体包有物中の水の酸素同位体比は、過去の気温変動を直接推定できる点で重要なプロキシである。近年、各地の鍾乳石からの測定例が報告され始めている。しかし、一部のデータは天水線からの乖離を示しており、二次的影響等が指摘されているそこで本研究では、開発した分析手法と実際の石筍試料を用いて、同位体交換平衡の影響を評価した。加熱実験では、同じ深度における流体包有物の水の酸素同位体比は約30時間までの間にわずかに上昇し、その後は一定値を示した。モデル計算の結果は、限られた量の流体包有物中の水が、周囲の炭酸カルシウムの酸素と再平衡に達していることを示唆している。この結果は、氷期サイクル程度の気温変動では、酸素同位体交換の影響は小さく、過去の気温の推定には、ほとんど影響しないことを示唆している。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390845713025330944
  • NII論文ID
    130007520604
  • DOI
    10.14862/geochemproc.65.0_25
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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