ネガティブなイメージをポジティブに転換する 基本概念と契機に関する研究:髪を用いた作品を対象とした両義的なイメージに着目して A Study on the Aesthetic Sensibility with Changing Opportunity that Encompasses both Positive and Negative Images

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抄録

本研究は、「グロカワイイ」や「キモカワイイ」のようなネガティブなイメージをプラスに転換し、ポジティブなイメージに捉え直そうとする美的感性に着目した。両義的なイメージを包含する感性である「両義的感性イメージ」において、ネガティブなイメージをポジティブなイメージに転換させる基本概念と、その契機を明らかにすることが目的である。 印象調査1_では、「両義的感性イメージ」の変化要因である「現実感」「非現実感」と、その印象「肯定的」「否定的」との関係について検証を行った。2014年12月から約2ヶ月間、20代〜40代までの黒髪の男性15名、女性15名、計30名を対象に、髪を表現要素に用いた作品125例に関する印象調査を実施した。 調査の結果、変化要因の項目数とその印象の関係において、125例中99例が整合していたが、26例が不整合であった。不整合であった26例から特徴的な3つのパターンを見出した。このパターンから、ネガティブなイメージをポジティブなイメージへと転換させる基本概念として、「現実感」「非現実感」「身体性」を見出した。 印象調査2では、印象調査1で不整合であった26例と、整合していたが、回答差が1名であった4例の合計30例を調査対象とし、ネガティブなイメージがポジティブなイメージに転換する契機について明らかにした。2015年1月から約2ヶ月間、20代〜50代までの男性26名、女性54名、計80名を対象に、髪を表現要素に用いた作品に関する印象調査を実施した。 調査の結果、回答理由で最も多かったのは「不気味」であった。次いで「気持ち悪い」であり、ネガティブな回答理由が多くあげられた。次に多かったのは、「怖い」「人毛っぽい」「クリエイティブ」であり、ここで初めて「クリエイティブ」というポジティブな回答理由があった。「クリエイティブ」の回答以降、ポジティブな回答理由が続いた。これらの結果から、「クリエイティブ」という認識が、ネガティブなイメージをポジティブなイメージへ転換するひとつの契機であると考えることができる。

収録刊行物

  • 芸術工学会誌

    芸術工学会誌 71(0), 74-81, 2016

    一般社団法人 芸術工学会

各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    130007549888
  • NII書誌ID(NCID)
    AA11876913
  • 本文言語コード
    JPN
  • ISSN
    1342-3061
  • NDL 記事登録ID
    027787395
  • NDL 請求記号
    Z11-B468
  • データ提供元
    NDL  J-STAGE 
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