フィンランドにおけるゲノム医療関連政策の動向

DOI オープンアクセス
  • 中田 はる佳
    国立がん研究センター 社会と健康研究センター 生命倫理・ 医事法研究部
  • 高島 響子
    国立国際医療研究センター メディカルゲノムセンター
  • 吉田 幸恵
    群馬パース大学 保健科学部 教養共通教育部
  • 永井 亜貴子
    東京大学医科学研究所 公共政策研究分野
  • 平沢 晃
    岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 病態制御科学専攻 腫瘍制御学講座(臨床遺伝子医療学分野)

書誌事項

タイトル別名
  • The Current Status of Policy for Genome Medicine in Finland

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抄録

日本の状況に合わせた遺伝情報を含めた医療情報の利活用を支える法的・社会的基盤を整備するためには,まず医療情報の利活用先進国における,それらに関連する政策動向を明らかにすることが重要である.本研究では,がんゲノム医療との関連を見据えつつ,医療情報の利活用が進むフィンランドを参考として,日本で検討すべき課題を抽出し,今後の方針を検討することを目的として現地調査を行った.中でも,ゲノム法や社会健康情報の二次利用に関する法制定準備,FinnGen プロジェクトなどが注目すべき事項であった.日本への示唆として,既存の研究基盤の再活用,医療情報の二次利用を適正化するためのバイオバンク同意の積極的な活用と法的裏付けの検討,医療と研究の試料・情報を結び付けるID 制度の仕組みなどが挙げられた.今後,がんゲノム医療の実装が進められている米国の状況なども調査し,日本のがんゲノム医療に資する法的・社会的基盤を検討していく必要がある.

収録刊行物

  • 家族性腫瘍

    家族性腫瘍 18 (2), 42-47, 2018

    一般社団法人日本遺伝性腫瘍学会

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