土壌生息性の植物寄生性線虫密度を簡易に低コストで定量するための方法に関するケーススタディ

  • 成 沢君
    Graduate School of Bio-Applications and Systems Engineering, Tokyo University of Agriculture and Technology
  • 白井 さよ
    Graduate School of Bio-Applications and Systems Engineering, Tokyo University of Agriculture and Technology
  • 豊田 剛己
    Graduate School of Bio-Applications and Systems Engineering, Tokyo University of Agriculture and Technology
  • Ritz Karl
    School of Biosciences, The University of Nottingham

書誌事項

タイトル別名
  • Case study on a modified method to quantify the density of some soil-borne plant-parasitic nematodes in a simpler and less expensive way

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抄録

<p>リアルタイムPCR を用いた土壌中の植物寄生性線虫密度の定量は、作物への線虫被害を予測するための有効な診断である。しかし、これまでに報告されている方法は消耗品代が高く、時間もかかる。そこで、土壌生息性の植物寄生性線虫密度をより簡易に低コストで定量するため、既存の土壌前処理法、DNA抽出法、リアルタイムPCRを組み合わせ、その有効性を確認した。シストセンチュウ、イモグサレセンチュウ、あるいはネコブセンチュウ汚染土壌をボールミルで粉砕した後、リン酸バッファーでDNAを抽出し、市販カラムで精製後、リアルタイムPCR で線虫密度を定量した。新規開発法で得られたCt値と従来法で得られたCt値とにはR2>0.75の高い正の相関が認められた。非汚染土壌に接種した線虫密度とCt値の間にも、R2>0.987の高い正の相関が認められた。従来法では6サンプルのDNA抽出に3時間、12$を要したのに対し、新規開発法では1時間、4.8$しか要しなかった。ボールミルと簡易なDNA抽出法を組み合わせた本手法は、迅速で低コストの土壌中の線虫密度定量法となる。</p>

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参考文献 (21)*注記

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