砂糖・エタノール逆転型複合生産システムの導入による温室効果ガス排出量削減効果

  • 小原 聡
    アサヒグループホールディングス(株) プロセス開発研究所
  • 菊池 康紀
    東京大学 総括プロジェクト機構 「プラチナ社会」総括寄付講座 東京大学 国際高等研究所サステイナビリティ学連携研究機構 東京大学 大学院工学系研究科化学システム工学専攻
  • 大内田 弘太朗
    東京大学 大学院工学系研究科化学システム工学専攻
  • 杉本 明
    アサヒグループホールディングス(株) プロセス開発研究所
  • 服部 太一朗
    農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター 種子島研究拠点
  • 安原 貴臣
    アサヒグループホールディングス(株) プロセス開発研究所
  • 福島 康裕
    東北大学 大学院工学研究科 化学工学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Reduction of Greenhouse Gas Emissions in the Introduction of <i>Inversion System</i> to Produce Sugar and Ethanol from Sugarcane
  • サトウ ・ エタノール ギャクテンガタ フクゴウ セイサン システム ノ ドウニュウ ニ ヨル オンシツ コウカ ガス ハイシュツリョウ サクゲン コウカ
  • Reduction of greenhouse gas emissions in the introduction of inversion system to produce sugar and ethanol from sugarcane

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抄録

<p>本論文では、エタノール生産プロセスが現状導入されていない製糖システムに 2 つの砂糖・エタノール・電力複合生産システム:(1)糖蜜発酵を追加する従来型複合生産システム、(2)サトウキビ品種とプロセスを変更する逆転型複合生産システムを導入した場合の各製品の温室効果ガス(GHG)の累積排出原単位(Cradle-to-gate)、ライフサイクル全体からのGHG排出量(Cradle-to-grave)を定量化し、比較評価することを目的とした。その結果、従来型複合生産システムを導入するケースでは、糖蜜からエタノールへの製品変更と売電量減少により、ライフサイクルにおける原料生産から製品生産までのGHG排出量が現状比 1.3% 増加する一方でライフサイクル全体では0.72 t-CO2-eq./(ha・year)のGHG排出削減ポテンシャルがあることが分かった。逆転型複合生産システムを導入するケースでは、年次変動はあるものの、砂糖、エタノール、電力の全てを同時に増産でき、ライフサイクルにおける原料生産から製品生産までのGHG排出量が現状比 16.7%増加する一方で、ライフサイクル全体では1.49 t-CO2-eq./(ha・year)のGHG排出削減ポテンシャルがあることが分かった。また感度解析により、エタノールや電力の累積製造GHG排出原単位は各製品への排出量の配分比率の変化に対して感度が高く、逆転型複合生産システムの排出削減ポテンシャルは原料データの年次毎のばらつきに対して感度が高いことが示された。結果の妥当性を検証した結果、既往研究で報告されたサトウキビ、砂糖生産におけるGHG排出原単位と本論文の結果の数値の差異を前提条件の差異により半定量的に説明できるため、既往研究との整合性を確認できた。モデル地域における逆転型複合生産システムの生産面・GHG排出量の面での優位性が定量的に示された。</p>

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