書誌事項
- タイトル別名
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- Effects of Epoxy Resin's Content in Modifying with In-situPolyurethanes on Properties of Cured Blends with Anhydride
- In-situ ポリウレタン ヘンセイ エポキシ ジュシ ゴウセイジ ノ エポキシ ジュシ ノウド ガ サン ムスイブツ コウカブツ トクセイ ニ オヨボス エイキョウ
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抄録
<p>エポキシ樹脂の特長である高強度,高耐熱性等の特性を極力犠牲にせず,低破壊靭性等の脆性を改善することを目的に,in-situポリウレタン変性エポキシ樹脂 (U-BAE) の合成と硬化物の特性評価を実施した。本研究では,液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂( BAE) の濃度を変えてU-BAEを合成し,酸無水物硬化にて硬化物を調製後,モルフォロジーに及ぼす影響,硬化物特性に及ぼす影響および両者の関係を検証した。硬化物の原子間力顕微鏡観察結果から,BAE 濃度20 wt.%で合成したU-BAE 硬化物には,エポキシマトリック (EM) 中にサブミクロンオーダーのポリウレタン (PU) ドメインが凝集した数ミクロンオーダーの凝集構造と同じく数ミクロンオーダーのエポキシマトリック (EM) の球状ドメインが観察された。また,BAE濃度40wt.%の U-BAE硬化物には,PUドメインの2次凝集構造は認められず,さらにエポキシマトリック (EM) の球状ドメインも観察されなかった。最後に,BAE 濃度60 wt.%の U-BAE 硬化物では,PU ドメインが凝集することなくサブミクロンオーダーでEM 中に均一分散した構造が観察された。BAE 中にはn=1 体が含まれるため,合成時のBAE 濃度が低いU-BAE ほど,PU 末端がBAE のn=1 体で封止されない非架橋性の高分子量なPU の生成割合が高いのに対し,BAE 濃度が高くなるほどn=1 体封止の架橋性で低分子量なPU の割合が高い。そのため,後者は,前者よりPU とEM の相溶性が良好と考えられ,前記のような硬化物のモルフォロジー変化が生じたと考えられる。また,U-BAE硬化物の破壊靱性( K1C) は,総ての系でPU 変性率16 wt.%付近に極大値が認められた。これらの挙動に対して,硬化物のモルフォロジー観察結果および引張試験の応力- 歪 (S-S) 曲線測定結果から,2 つの機構を提案した。第1 は,サブミクロンオーダーのPU 粒子の部分相溶によって全体的にEM が適度に可塑化される範囲では,脆性が低減してK1C は増大するが,PU の相溶が過度になるとEM の可塑化が進み過ぎ,亀裂進展が容易になりK1C は減少に転ずる機構である。第2 は,PU ドメインが2 次凝集した構造(ミクロ相分離) を形成すると,この凝集体周辺のEM が局所的に塑性変形してエネルギー吸収するためK1C は増大するが,この2 次凝集体構造が消失するとEM の局所塑性変形もできなくなりK1C は減少に転ずる機構である。</p>
収録刊行物
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- Journal of The Adhesion Society of Japan
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Journal of The Adhesion Society of Japan 55 (1), 4-16, 2019-01-01
一般社団法人 日本接着学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390845713047514880
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- NII論文ID
- 130007557812
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- NII書誌ID
- AN10341672
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- ISSN
- 21874816
- 09164812
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- NDL書誌ID
- 029471483
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可