管状ゼオライト膜の微細構造と脱水性能に関する研究

書誌事項

タイトル別名
  • Study on Mcroscopic Structure and Dehydration Characteristic of Tubular Zeolite Membrane
  • カンジョウ ゼオライトマク ノ ビサイ コウゾウ ト ダッスイ セイノウ ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

<p>バイオエタノール等のアルコール脱水用に開発された管状のNaA型ゼオライト(Na-LTA)膜につき,その新規な分析方法を確立した上で,膜の微細構造と水の透過性能との関連を種々明らかにした.集束イオンビーム(FIB)による加工(薄片化)と組合せた透過型電子顕微鏡(TEM)観察(FIB-TEM),減衰全反射方式でのフーリエ変換赤外分光法(FTIR-ATR),並びに平行ビーム方式でのX線回折法(XRD)と斜入射XRD法(GIXRD)を,管状の多孔質アルミナ支持体の上に水熱合成で製膜されたNa-LTA膜へ適用した.FIB-TEMは膜の構成要素(カラム状結晶と微粒子状結晶,アモルファス,粒界)を,FTIR-ATRは膜の緻密さ(結晶とアモルファスの混合状態)を,平行ビームXRDとGIXRDはNa-LTAの結晶構造変化をそれぞれ示した.その結果,次の知見を得た.浸透気化分離や蒸気透過分離プロセスで,水分子がカラム状Na-LTA結晶内部を通過する際の結晶構造変化と水の透過流束変化は密接に関係している.しかし,Na-LTA膜はカラム状Na-LTA結晶だけでは膜として機能せず,その周囲と支持体内部をアモルファスや微粒子状のNa-LTA結晶が埋めることで初めて緻密な膜となり,水選択性を発揮する.</p>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 68 (1), 9-21, 2019-01-05

    公益社団法人 日本分析化学会

参考文献 (29)*注記

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