拡大スリーブ肺葉切除術後遅発性に気管支吻合部末梢側に瘻孔を形成した1例

DOI
  • 鈴木 克幸
    山形大学医学部附属病院外科学第二講座 山形県立中央病院呼吸器外科
  • 大泉 弘幸
    山形大学医学部附属病院外科学第二講座
  • 捧 貴幸
    山形大学医学部附属病院外科学第二講座
  • 中橋 健太
    山形大学医学部附属病院外科学第二講座
  • 濱田 顕
    山形大学医学部附属病院外科学第二講座
  • 渡曾 光
    山形大学医学部附属病院外科学第二講座
  • 鈴木 潤
    山形大学医学部附属病院外科学第二講座
  • 遠藤 誠
    山形大学医学部附属病院外科学第二講座 山形県立中央病院呼吸器外科
  • 加藤 博久
    山形大学医学部附属病院外科学第二講座
  • 貞弘 光章
    山形大学医学部附属病院外科学第二講座

書誌事項

タイトル別名
  • Late-onset Bronchopleural Fistula at the Distal Side of the Bronchial Anastomosis After an Extended Sleeve Lobectomy

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抄録

<p>背景.気管支形成術の合併症は吻合部狭窄や気管支胸膜瘻,気管支血管瘻など種々報告されているが,いずれも吻合部自体に関するものである.今回われわれは拡大スリーブ肺葉切除術後に吻合部以外の末梢側気管支に遅発性瘻孔をきたした1例を経験し,その原因・対処法につき考察したので報告する.症例.68歳男性.右上葉肺門部原発で中間気管支幹にまで浸潤する扁平上皮癌(cT2aN1M0-IIB)に対して右上葉+S6区域切除,中間気管支幹切除,気管支形成(右主気管支とB4+5,B7,B8-10とを三連銃で形成),肺動脈形成,有茎肋間筋弁による吻合部被覆を施行した.術後1カ月の気管支鏡検査で吻合部末梢側に白苔を認めて虚血が疑われたため,高圧酸素療法などを行った.B10の側壁(非吻合部)に瘻孔が形成され気管支胸膜瘻をきたしたが,空洞が限局的かつCTで空洞や吻合部付近に接する血管がないことから経過観察とした.現在術後3年,空洞の増大及び肺癌の再発所見なく経過中である.結語.気管支形成術の吻合部末梢側に瘻孔をきたした症例を経験した.空洞が限局的でありかつ内瘻化したために保存的加療が可能であった.</p>

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 41 (1), 23-29, 2019-01-25

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

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