子ども虐待に伴う不本意な一時保護を経験した保護者の「折り合い」のプロセスと構造――子ども虐待ソーシャルワークにおける「協働」関係の構築――

  • 鈴木 浩之
    神奈川県鎌倉三浦地域児童相談所 東洋大学大学院福祉社会デザイン研究科社会福祉学専攻(博士後期課程)

書誌事項

タイトル別名
  • The Structure and the Process of “Accommodating” for Families Who Experienced Temporarily Removal of Their Children without Consent ――Towards Developing a “Collaborative” Relationship in Child Abuse Prevention――
  • コドモ ギャクタイ ニ トモナウ フホンイ ナ イチジ ホゴ オ ケイケン シタ ホゴシャ ノ 「 オリアイ 」 ノ プロセス ト コウゾウ : コドモ ギャクタイ ソーシャルワーク ニ オケル 「 キョウドウ 」 カンケイ ノ コウチク

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抄録

<p>本研究では,子ども虐待の危機介入において,不本意な一時保護をされた保護者と児童相談所の協働関係の構築についてのプロセスとその構造を検討することを目的とする.研究においては,不本意な一時保護を体験した家族10組20人の研究協力者にインタビューを実施し,グレイザー派グラウンデッド・セオリーによりデータを分析した.その結果,33のコンセプトと12のカテゴリーが創出された.中核的なコンセプトは「折り合い」である.さらに,これらのカテゴリーは三つのステージに分類された.すなわち,「失う」「折り合い」「引き取る」である.これらの分析によって,不本意な一時保護を体験した保護者との協働関係を構築していくためには,「折り合い」にある,六つのカテゴリー「見通し」「支えられる」「担当者との関係」「話し合いの場」「子どもへの思い」「期待」の要件を整えることがソーシャルワークの課題であることが示唆された.</p>

収録刊行物

  • 社会福祉学

    社会福祉学 57 (2), 1-14, 2016-08-31

    一般社団法人 日本社会福祉学会

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