鉄コーティング湛水直播栽培における全量基肥施肥が飼料用米‘中生新千本’の収量に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Effects of Basal Fertilizer Application on Total Yields of a Feed Rice Variety,‘Nakate-Shinsenbon’ in Direct Seeding to Paddy Fields with Iron-coated Seeds

抄録

全量基肥用肥料を用いた飼料用米‘中生新千本’の鉄コーティング湛水直播栽培において,窒素溶出パターンの違いが収量並びに所得に及ぼす影響を検討した. その結果,主食用米の移植栽培用肥料を用いて湛水直播栽培した場合,最高分げつ期までの生育前半に窒素溶出量が多いため,茎数が多いものの葉色は薄く経過し,粗玄米収量は同じ肥料を用いた移植栽培よりも劣った.しかし,生育後半に窒素溶出量が多い肥料を用いた場合,穂数は少ないものの一穂モミ数や千粒重が増大することで,移植栽培と同等以上の粗玄米収量が得られ,粗収入から経営費を減じた所得は移植栽培より増大した.以上より,飼料用米の湛水直播栽培で全量基肥施肥技術を現場で導入する際には,生育後半の窒素溶出量が多い肥料を選択し,さらに,リン酸やカリウムの減肥が可能であれば,これらの含量が相対的に低い安価な肥料を選択することで,所得が向上すると考えられた.

収録刊行物

  • 新近畿中国四国農業研究

    新近畿中国四国農業研究 2 (0), 26-35, 2019

    国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構西日本農業研究センター

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763104782208
  • NII論文ID
    130007615404
  • DOI
    10.24755/westernagrires.2.0_26
  • ISSN
    2433796X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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