〈語り〉の構造から『藤野先生』を読む

書誌事項

タイトル別名
  • The Narrative Structure of Lu Xun's “Fujino-sensei”: To Read the Text Itself Dialectically
  • 〈語り〉の構造から『藤野先生』を読む : 作品そのものに近づくために
  • 〈 カタリ 〉 ノ コウゾウ カラ 『 フジノ センセイ 』 オ ヨム : サクヒン ソノモノ ニ チカズク タメニ
  • ――作品そのものに近づくために――

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抄録

<p>本作品は、「現在」北京で文筆活動を行う「私」(=〈語り手〉)が、清朝末期に日本に留学した時のことを語る形をとる。〈語り手〉は「現在」、「正人君子」と戦っており、〈語り手〉が語る相手、すなわち〈聴き手〉の位置には「正人君子」がいるわけであるが、この作品は、その〈語り―聴く〉という空間と、さらにその外側の〈語り手を超えるもの〉と「鉄の部屋」の空間が提示される構造になっており、読者はその〈聴き手〉となる。</p><p>作品を読む際、ストーリーのみを読むのではなく、ストーリーがどう語られているかという構造を意識することによって、作品が新たな形で読者の前に現れ、迫ってくる。</p>

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 63 (3), 2-11, 2014-03-10

    日本文学協会

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