高いストレスをもつ保護者による行動問題を示す自閉症児への家庭での介入を促す支援方略の検討 ―強みに基づくアプローチを通して―

書誌事項

タイトル別名
  • A Strength-Based, Parent-Implemented Intervention for a Child With Autism and Behavior Problems: Parent With a Reported High Level of Stress
  • タカイ ストレス オ モツ ホゴシャ ニ ヨル コウドウ モンダイ オ シメス ジヘイショウジ エ ノ カテイ デ ノ カイニュウ オ ウナガス シエン ホウリャク ノ ケントウ : ツヨミ ニ モトズク アプローチ オ トオシテ

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抄録

行動問題を示す自閉症児(長男)に対して、高いストレスをもつ母親が機能的アセスメントに基づく介入を家庭で実行するための支援を行った。長男は自らを否定的に語ることがみられ、遊びをやめる際に机を蹴るなどの行動問題を多く示した。母親はこれらの行動が生じる原因は自らの言動であると捉えていた。面接では、母親の行動記録に基づき、行動問題が生起したおよび生起しなかった状況や要因、介入方略を語るよう促し、特に母親の適切な対応を強調し、望ましい結果を称賛した。その結果、母親は行動問題の先行事象や結果事象および介入方略を自発的に語ることがみられ、行動問題は減少した。長男や自らの肯定的な評価、望ましい関わりに関する語りもみられた。さらに、母親の精神的健康度が上昇し、不安水準も低減した。以上の結果から、介入の主体性を促す、行動記録に基づく保護者の強みを強調する支援アプローチの効果について、考察を行った。

収録刊行物

  • 特殊教育学研究

    特殊教育学研究 54 (4), 257-266, 2016

    一般社団法人 日本特殊教育学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (10)*注記

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