大学生における心電図のQT間隔と体格指数の関係─学生健康診断における検討─

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  • Correlation between the electrocardiographic QT intervals and body mass index of the university students:Analysis in the annual health screening

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抄録

<p> 目的:心電図のQT間隔はさまざまな要因で修飾され体格もその1つであるが,わが国における若年者での大規模な検討は少ない.わが国の若年者の体格は欧米の若年者と大きく異なりわが国でのデータの蓄積が必要である.</p><p> 方法:大学生の健康診断において体格指数(body mass index;BMI)と異なる4つの補正式(Bazett,Hodge,Framingham,Fridericia)で心拍数補正したQT間隔(QTc間隔)との関係を検討した.対象者6,649名を低体重群(BMI<18.5),標準体重群(18.5BMI<25),肥満群(BMI25)に分けて群間比較を行い最小二乗法にて回帰曲線を求めた.</p><p> 結果:QTc間隔はBMIに関係なく女性群で男性群より延長していた.またBMI別では補正式によらず男女合わせて肥満群で最も短縮していた.心拍数はBMIに対して凹型の二次曲線で近似された.QTc間隔をBMIに対してプロットするとBazettおよびHodge補正式ではゆるやかな上凹型の回帰曲線で最適に近似され,いずれの補正式でもBMIが大きくなるにつれて外挿部分を含めてQTc間隔は延長傾向を示した.</p><p> 結論:いずれの心拍数補正式によってもQTc間隔は肥満群より低体重群で延長していた.曲線近似では高度肥満でQTc間隔が延長する傾向がみられた.これらは低体重や高度肥満における心血管リスクを反映している可能性が示された.</p>

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 50 (2), 164-172, 2018-02-15

    公益財団法人 日本心臓財団

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