P-099 ヒールレイズにおける前足部接地条件の違いが下腿三頭筋の筋活動に及ぼす影響

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抄録

<p>【目的】</p><p>ヒールレイズは下腿三頭筋の筋力強化を目的として臨床的に多く用いられている. ヒールレイズに関する先行研究では, 小趾球荷重に比べ母趾球荷重で腓腹筋内側頭・外側頭の筋活動が高いと報告されているが, 接地条件の違いについて検討した報告は少ない. 本研究の目的はヒールレイズにおける接地条件の違いが下腿三頭筋の筋活動に及ぼす影響を明らかにすることとした.</p><p>【方法】</p><p>対象は健常男性10 例20 足とした. 筋活動の測定は表面筋電計(Myotrace 400) を使用し, 被験筋は腓腹筋内側頭・外側頭・ヒラメ筋とした. 運動課題は両脚立位ヒールレイズ( 母趾球荷重と小趾球荷重) とし, 足関節60°底屈位を保持させた. 前足部接地条件は, 前足部を全て接地させる方法( 全接地群), 自作の踏み台上に部分的に前足部のみを接地させる方法( 部分接地群) の2 群に分類した. 筋電図解析は5 秒間の等尺性収縮中の安定した筋活動が得られた中間3 秒間とした. 最大随意収縮(MVC) はBIODEX を用いて測定し,%MVC を算出した. 各筋活動に対しMann-Whitney のU 検定を用いて2 群間で比較した. 有意水準は5%とし統計ソフトはSPSSver.12.0 を使用した. 尚, 本研究は当院の倫理委員会の承認を得て行った.</p><p>【結果】</p><p>腓腹筋筋活動は両群間で有意差を認めなかった. ヒラメ筋筋活動では小趾球荷重において, 全接地群で36.9 ± 18.8%, 部分接地群で30.0 ± 28.6%であり, 全接地群は部分接地群よりも有意に高値を示した.</p><p>【考察】</p><p>本研究結果より, ヒラメ筋筋活動のみ小趾球荷重において部分接地群に比べ全接地群で高値を示した. 全接地群では部分接地群と比較し, 小趾球荷重に伴ったより大きな踵骨回外が生じると考えられ, 踵骨回外作用を持つヒラメ筋の筋活動が高まったと考えた.</p><p>【まとめ】</p><p>ヒールレイズにおける接地条件の違いが下腿三頭筋の筋活動に及ぼす影響を検討した. 前足部接地条件の違いにより小趾球荷重のヒールレイズにおいてヒラメ筋筋活動に影響を与えた.</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001288145982592
  • NII論文ID
    130007623587
  • DOI
    10.14901/ptkanbloc.36.0_199
  • ISSN
    2187123X
    09169946
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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