P-180 スモールチェンジ機能付きエアーマットレスの使用により疼痛の軽減及び睡眠状況の改善が得られた頸髄損 傷例

DOI
  • 太田 直樹
    千葉県千葉リハビリテーションセンター 地域連携部
  • 田中 康之
    千葉県千葉リハビリテーションセンター 地域連携部

抄録

<p>【はじめに】</p><p>褥瘡予防・ガイドライン第4 版では体圧分散マットレスを使用する場合、4 時間以内の間隔で体位変換を行うことが褥瘡予防に有効とされている。夜間の定期的な体位変換は患者の睡眠を妨げ、日中活動に影響を与えるほか、介助者への負担が大きい。</p><p>今回、スモールチェンジ(SC)機能付きエアーマットレスの使用により夜間の睡眠状況の改善を得られた症例を経験したので報告する。なお、本報告は当センター倫理委員会の承認を得ている。</p><p>【症例・評価】</p><p>外傷性頸髄損傷(損傷高位C6-7)AIS D、感覚鈍麻あり。起居動作は軽~中等度介助。尾骨骨折の既往があり、変形治癒により著明な骨突出を認めていた。ブレーデンスケール14 点、エアーマットレスを使用していたが、尾骨部の疼痛のため毎日夜間2 ~3 回ほど目が覚めていた。</p><p>【介入・結果】</p><p>マットレスをSC 機能付きエアーマットレスに変更し、2 週間試用後、感想の聴取及びベッド上の体圧分布を測定した。試用後、尾骨突出部の疼痛が消失し、夜間目が覚める頻度が週に1回程度に改善した。試用の感想として「痛みで起きることがなくなった」「体が動いている感じはしなかった」とあった。また、体圧分布は平均ピーク圧の減少、接触面積の増大及び尾骨周囲の圧分布の変化を認め、皮膚の発赤も認められなかった。</p><p>【考察】</p><p>SC機能付きエアーマットレスの使用により、夜間の睡眠状況の改善をみとめ日中活動の増加つながることが推察された。また、本症例については、定期的な体位変換を見直すことで、在宅介護者の介護負担軽減に寄与することが考えられた。今後の課題として使用者の体重、拘縮の程度、肺ケアの必要性の有無の観点からSC 機能付きエアーマットレスの適応を検討する必要があるため、症例を重ねて検証したい。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390564238098192128
  • NII論文ID
    130007623677
  • DOI
    10.14901/ptkanbloc.36.0_280
  • ISSN
    2187123X
    09169946
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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