O-031 両側同日人工膝関節置換術後3 ヶ月における膝伸展筋力は術前よりも低下するが,立ち上がり速度は低下し ない

DOI
  • 和田 晃平
    神奈川県警友会 けいゆう病院 リハビリテーション科
  • 倉坪 亮太
    北里大学北里研究所病院診療技術部リハビリテーション技術科
  • 相沢 志穂子
    神奈川県警友会 けいゆう病院 リハビリテーション科
  • 金子 敬弘
    神奈川県警友会 けいゆう病院 リハビリテーション科
  • 田中 さえ子
    神奈川県警友会 けいゆう病院 リハビリテーション科
  • 關口 治
    神奈川県警友会 けいゆう病院 整形外科

抄録

<p>【目的】</p><p>変形性膝関節症( 膝O A ) の症状の一つとして,立ち上がり動作能力の低下がある.膝O A の主な治療法として,運動機能やA D L</p><p>改善目的に人工膝関節置換術(TKA)は施行されている.これまでに膝OA 患者や片側TKA 患者の術前後での立ち上がり機能に関連した報告はあるものの,両側同日T K A 患者の術前後での立ち上がり機能の報告は少ない.本研究の目的は,両側同日T K A 患者の立ち上がり機能とその他の身体機能を術前後で比較し,経時的変化を明らかにすることとした.</p><p>【方法】</p><p>対象は両側膝O A に対して,両側同日T K A を施行した2 5 名( 男性4 名,女性21 名,年齢74 .7 ± 6 .7 歳,身長15 3 . 5 ± 7. 4 c m ,</p><p>BMI25.7 ± 3.6).測定項目は,5 回立ち上がりテスト(5STS),疼痛VAS,膝関節可動域(ROM),等尺性膝伸展筋力(IKE) とし,術前および術後3ヶ月に実施した.両側が術側のため,ROMとIKE は術後3ヶ月時のIKE が強い側をStrong 側,弱い側をWeak 側と定義した.統計学的検討として,術前と術後3ヶ月の測定項目の比較にWillcoxon 符号付順位和検定を用いた.なお有意水準は5 % 未満とした.</p><p>【倫理的配慮】</p><p>本研究は,当院倫理審査委員会の承認(H27 年- 第2 号) を得て,実施した.【結果】</p><p>5STS に有意な差は認められなかった.Weak 側のIKE は有意に低下し,膝伸展ROM は有意に改善した(p <0.01).疼痛VAS はStrong 側,Weak 側ともに有意に改善を認めた(p <0.01).</p><p>【考察】</p><p>術前と術後3 ヶ月で5 S T S は有意差を認められなかったが,W e a k 側のI K E は低下していた.I K E が低下しているにも関わらず,立ち上がり速度に有意差を認めなかった理由として,膝伸展筋力を股関節周囲筋・体幹筋群などが代償している事が推察された.そのため,両側同日TKA 患者の術後理学療法の際には,膝伸展筋力のみに着目するのではなく,股関節や体幹機能にも着目する必要性が示唆された.</p><p>【結論】</p><p>両側同日TKA 術後3 ヶ月における膝伸展筋力は術前よりも低下していたが,立ち上がり速度は差がなかった.</p>

収録刊行物

詳細情報

  • CRID
    1390564238098200704
  • NII論文ID
    130007623777
  • DOI
    10.14901/ptkanbloc.36.0_31
  • ISSN
    2187123X
    09169946
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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