衛星観測を用いた中央ヨーロッパにおける氷河のデブリ被覆分布推定とデブリの影響評価

書誌事項

タイトル別名
  • ESTIMATION OF DEBRIS DISTRIBUTION ON GLACIERS OVER THE CENTRAL EUROPE DERIVED FROM REMOTE SENSING DATA AND ASSESSMENT OF DEBRIS EFFECTS

抄録

氷河の表面を覆うデブリ(土砂や岩くず)は,氷河の融解速度を著しく変化させるため,正確な氷河融解量予測のためには,氷河モデルにデブリの影響を組み込むことが必要である.しかし,デブリの熱特性を調査することの難しさから,全球水資源や海面上昇の推計を行う広域氷河モデルにおいて, デブリの影響は考慮されていない.そこで本研究では,衛星観測データからデブリの熱抵抗値の広域分布を推定することで, 全球氷河モデルへのデブリ効果の導入を試みた. 中央ヨーロッパ全域を対象にした検討では, 氷河の約29%がデブリに覆われていることを示した.また,Gries氷河において,デブリの効果を導入した氷河モデルを用いてデブリが融解量に与える影響を調べた結果, デブリを考慮しない場合には, 全体で質量変化を28%過少評価することが判明した.

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参考文献 (16)*注記

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