40歳台の乳癌マンモグラフィ検診における超音波検査併用への期待

  • 大岩 幹直
    国立病院機構名古屋医療センター放射線科 国立病院機構名古屋医療センター乳腺外科
  • 遠藤 登喜子
    国立病院機構名古屋医療センター放射線科 国立病院機構東名古屋病院放射線科
  • 佐藤 康幸
    国立病院機構名古屋医療センター乳腺外科
  • 森田 孝子
    国立病院機構名古屋医療センター乳腺外科
  • 林 孝子
    国立病院機構名古屋医療センター乳腺外科
  • 須田 波子
    国立病院機構名古屋医療センター乳腺外科
  • 加藤 彩
    国立病院機構名古屋医療センター乳腺外科
  • 宇佐見 寿志
    国立病院機構名古屋医療センター放射線科
  • 安藤 嘉朗
    国立病院機構名古屋医療センター放射線科
  • 市原 周
    国立病院機構名古屋医療センター病理診断科
  • 西村 理恵子
    国立病院機構名古屋医療センター病理診断科

書誌事項

タイトル別名
  • Expectations for the Combined Use of Ultrasound in Mammography Screening for Women in Their 40s
  • - An Exploration of the Possibility of Reducing Mortality Based on the Characteristics of Breast Cancer Surgical Cases
  • ――乳癌手術症例から40歳台の乳癌の特徴を解析し死亡率減少の可能性を探る

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抄録

40歳台の乳癌の生物学的特徴を50歳以上と対比することで明らかにし,さらに検診発見例と有症状例とを比較・分析することで,40歳台のマンモグラフィ(MG)検診に超音波(US)検査を併用することが死亡率の減少につながるかを検討した。 2012年4月から2016年3月に当センターで手術を行い,乳癌と診断された695人の女性から,手術時年齢が40歳以上で発見契機が検診(MG,US 検査,触診)もしくは有症状であり,治療前にMG が撮影されていた,40歳台の浸潤癌145乳房(例)と50歳以上の浸潤癌340例を対象とした。 40歳台では,50歳以上と比べて低悪性度がやや多く(26.2vs.19.7%,P=0.112),HER2・triple negative は有意に少なく([2.8 vs. 9.1%,P=0.014]・[8.3 vs. 16.5%,P=0.018]),luminal B が有意に多くみられた(63.9vs.46.3%,P<0.001)。また,Ki67値は,50歳以上では高濃度乳房でやや高値であるのに対して,40歳台では非高濃度乳房で有意に高値であった(P=0.034)。さらに,40歳台の非高濃度乳房では,luminal B の割合が特に高く(高59 vs. 非77%,P=0.047),50歳以上の非高濃度と比べてKi67値が有意に高かった(P=0.044)。 40歳台のluminal B 乳癌では,US 発見例と有症状例との増殖能の高さに有意な差はみられず,MG 発見例よりも有意に高いことから(P=0.047),40歳台のMG 検診にUS 検査を併用することにより生命予後の改善に寄与する増殖能の高いluminal B を早期発見できる可能性が増えると考えられた。

収録刊行物

参考文献 (12)*注記

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