看護における食事時のポジショニング教育と汎用化に関する検討

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タイトル別名
  • Constituent Elements of Positioning Training Program for Nurses Assisting Patients during Eating
  • カンゴ ニ オケル ショクジジ ノ ポジショニング キョウイク ト ハンヨウカ ニ カンスル ケントウ

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抄録

<p>【目的】本研究は,看護における食事時のポジショニング教育プログラムの構成要素を明らかにし,汎用化のための示唆を得ることを目的とした.【対象および方法】対象は,摂食嚥下障害認定看護師で同意を得た6名であった.方法は,フォーカスグループインタビュー法で半構成的面接を行った.インタビューは,「患者の状況」「ポジショニングの現状と教育」「望ましい教育の方向」などについて自由に語ってもらった.分析方法は,逐語録から重要な語り部分をアイテムとし,類似するものをカテゴリーとして抽出した.研究期間は2014年2~12月であった.【結果および考察】入院患者の多くは,不良姿勢や誤嚥リスク患者の存在と,食事時の基本的な看護援助のニーズが山積している現状を示していた.看護師のポジショニングの現状は,プラスとマイナスの要素を抽出した.プラスのカテゴリーは,『ケアリングマインド』『チームケアの実践』『適切なポジショニング技術』『リスク管理』『患者情報の共有』であった.マイナスのカテゴリーは,『観察不足』『不適切なポジショニング技術』『認識不足』『多忙な環境』であった.認定看護師は,ポジショニングにおいても,『実践』『指導』『相談』の役割を果たしていた.ポジショニング教育は,『対象者を決める』『仲間をさがす』『組織へ働きかける』『学習の機会をつくる』であった.教育方法は,『基礎から伝える』『患者体験を促す』『コーチングをする』『技術評価をする』であった.ポジショニングの効果およびゴールは,看護師は『技術力向上』『業務改善』『相互成長』であり,患者は『食べるよろこび』『誤嚥予防』であった.教育プログラムは,抽出したカテゴリーを統合して概念図を構成した.ポジショニング技術の深化は,看護師と患者が「食べるよろこび」を共有できると考える.</p>

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