HPLCの機種依存性にHbA1cが著明高値を示したHb Pratoの1例

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  • A Case of Variant Hemoglobin Hb Prato Which Showed Extremely High HbA1c Levels Depending on Models of High-Performance Liquid Chromatography

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抄録

<p>症例は81歳女性.潰瘍性大腸炎にて当院消化器内科に通院中,高速クロマトグラフィ(HPLC)法(G8)で測定したHbA1cが11.4 %と高値のため当科を紹介受診した.随時血糖143 mg/dL,グリコアルブミン16.7 %とHbA1cとの乖離を認めた.75 g経口ブドウ糖負荷試験の結果,軽度の糖尿病を認めた.一方,HPLC法(HA-8180),免疫法,酵素法およびアフィニティ法で測定したHbA1cはいずれも6.3-6.5 %であった.また,HPLCで不安定HbA1c(LA1c+)分画(4.2 %:基準値1.7-2.7 %)が高値を示した.グロビン遺伝子解析の結果,α2鎖のヘテロ変異を認めHb Prato(α2 31Arg→Ser)と診断した.Hb Pratoは今まで3報の報告のみで,HbA1c測定例は初めてである.HPLCの機種によりHbA1cが偽高値および真正値を示した珍しい異常ヘモグロビンである.</p>

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 62 (4), 226-231, 2019-04-30

    一般社団法人 日本糖尿病学会

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