自然栽培水田における窒素収支および窒素起源の検討

DOI Web Site Web Site 参考文献1件 オープンアクセス
  • 一柳 錦平
    熊本大学大学院先端科学研究部
  • 泉 太郎
    熊本大学理学部 (現:株式会社アソウ・アルファ)
  • 上杉 崇之
    熊本大学大学院先端科学研究部
  • 鈴木 彌生子
    国立研究開発法人・農研機構・食品研究部門・食品分析研究領域

書誌事項

タイトル別名
  • Investigating the budget and sources of nitrogen of the naturally-farmed paddy field
  • シゼン サイバイ スイデン ニ オケル チッソ シュウシ オヨビ チッソ キゲン ノ ケントウ

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抄録

<p>本研究では,農薬や化学肥料・有機肥料も一切使用しない自然栽培法による水田の窒素収支を明らかにするため,熊本県菊池市の中山間地の約1,000 m2の水田で自然栽培を行い,水収支と窒素収支の観測を行った。その結果,灌漑期(2017年6月11日から9月6日)における土壌浸透量は560 m3と推定できた。深度60 cmの土壌水の硝酸イオン濃度はほとんどが1.0 mg/Lより低く,自然栽培水田による地下水への窒素負荷は小さいことが明らかとなった。水田全体の窒素収支より,持ち出し窒素量は約5.2 kgと推定できた。水田土壌とイネの窒素安定同位体比は,どちらも+10‰程度と有機物に近い値であり,土壌中に存在する窒素量は持ち出し窒素量よりも大きいことから,イネの窒素起源は土壌中の有機物と推定できた。精米の酸素および炭素安定同位体比は23.7~24.4‰と-29.0~-28.5‰となり,自然栽培水田における貴重な観測データを取得した。</p>

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