次世代シークエンス解析を用いたプロテインS欠乏症の病因遺伝子変異の網羅的解析

  • 一木 昭人
    東京医科大学 臨床検査医学分野
  • 稲葉 浩
    東京医科大学 臨床検査医学分野
  • 篠澤 圭子
    東京医科大学 血液凝固異常症遺伝子研究寄附講座
  • 天野 景裕
    東京医科大学 臨床検査医学分野 東京医科大学 血液凝固異常症遺伝子研究寄附講座
  • 福武 勝幸
    東京医科大学 臨床検査医学分野 東京医科大学 血液凝固異常症遺伝子研究寄附講座

書誌事項

タイトル別名
  • Exhaustive analysis of genetic mutations associated with protein S deficiency utilizing next-generation sequencing analysis
  • 臨床研究 次世代シークエンス解析を用いたプロテインS欠乏症の病因遺伝子変異の網羅的解析
  • リンショウ ケンキュウ ジセダイ シークエンス カイセキ オ モチイタ プロテイン S ケツボウショウ ノ ビョウイン イデンシ ヘンイ ノ モウラテキ カイセキ

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抄録

<p>プロテインS遺伝子(PROS1)は3番染色体長腕(3q11.1)に位置し,101 kbに及ぶ大きな遺伝子である。これまで,プロテインS低値の患者についてPROS1中の病因遺伝子変異の検索による検出率はおよそ50%と低い。我々は次世代シークエンス法(NGS)を応用しPROS1の網羅的な解析から病因変異検出率の改善を試みた。我々の施行したNGSでは,偽遺伝子に影響されることなくPROS1の全塩基配列を解析することが可能であった。一連の解析により男性3名女性14名中の男性3名女性6名(52.9%)から計10種類の変異を検出することができたが,NGSによる格段の向上は得られなかった。病因変異検出率の性差についての既報告はないが,プロテインSはエストロゲンの影響を受けて低下するため,女性においては遺伝子異常に起因する症例は活性値による臨床診断の半数程度である可能性が示唆された。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 60 (3), 171-183, 2019

    一般社団法人 日本血液学会

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