ハワイフトモモの葉形質多型における遺伝的基盤の解明

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タイトル別名
  • Genetic bases of the variation in leaf traits of <i>Metrosideros polymorpha</i>

抄録

<p>ハワイ諸島の多様な環境に生育するハワイフトモモには、葉トリコーム (毛) 量に著しい種内多型が見られる。本研究では、樹木における形質進化の遺伝的機構を理解するために、ハワイフトモモの葉トリコーム形成に寄与する遺伝子を探索した。ハワイ島マウナロアの亜高山帯において、優占して生育する有毛型個体の遺伝子発現パターンを、低頻度に生育する無毛型個体と比較したところ、741遺伝子の発現が増加し、553遺伝子の発現が減少していた。有毛型個体において発現が増加していた遺伝子群には、TBL (Trichome birefringence-like protein)、FLA (Fasciclin-like arabinogalactan protein) などが含まれ、これらは本種の葉トリコーム形成に関わると考えられる。一方、無毛型においては、エチレン応答性の転写因子ERF (Ethylene-responsive transcription factor) や、気孔形成を制御するFAMAなどの発現が増加していた。このことから、無毛型は、有毛型よりも強いストレスを受けている可能性や、より多くの気孔を発達させることによりガス交換効率を増加させている可能性が示唆された。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390564238089065472
  • NII論文ID
    130007645218
  • DOI
    10.11519/jfsc.130.0_116
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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