森林所有制度の視点から見る中国の集団林

DOI
  • 韋 珉傑
    東京大学大学院農学生命科学研究科
  • 石橋 整司
    東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林千葉演習林
  • 安村 直樹
    東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林田無演習林
  • 齋藤 暖生
    東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林富士癒しの森研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Research on Chinese collectively-owned forest from the view point of forest ownership

抄録

<p>現在の中国の森林所有形態は国有林と集団林に大別できる。中国では国有地以外の土地はすべて集団所有することが規定されているので、集団林の所有権は農村に在住している住民集団にある。本研究の目的は、文献調査とデータ収集により、集団林制度の歴史と現状を把握して、集団林改革の問題点をまとめることである。集団林制度の成立は、政治的な意図に影響されたものであるが、集約化がもたらす経済効果も考慮されている。しかし、1960年代前後に進められた急激な改革に伴い林業の発展が停滞した。その解決策として林権(森林資源の所有権等)に関する一連の改革が行われ、生産請負制度が確立した他、一部の地域で林業株式合作経営など多様な経営形態も試行された。こうして「集約化経営または請負制を用いて林業生産の担い手を確保して林業生産の安定化を図る」および「集団内の農民の収入を増加させ、収入格差を抑える」という集団林制度の二つの基本な役割が現在確立されている。改革の結果として、集団林が主な森林所有形態である南方10省の林業GDPと農民PDIは増加した。その一方で、都市と農村の格差は大きいままであり農村内部の収入格差を是正できないケースもあった。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001288136851072
  • NII論文ID
    130007645322
  • DOI
    10.11519/jfsc.130.0_213
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ