ツバキ2種(ユキツバキとヤブツバキ)のクローン構造と遺伝的多様性の比較

DOI
  • 小濱 宏基
    新潟大学大学院自然科学研究科
  • 阿部 晴恵
    新潟大学農学部附属フィールド科学教育研究センター佐渡ステーション
  • 森口 喜成
    新潟大学大学院自然科学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Comparison of clonal structure and genetic diversity in two Camellia species (<i>C. japonica</i> and <i>C. rusticana</i>)

抄録

<p>積雪量の多い日本海側に分布するユキツバキ(Camellia rusticana)は、ヤブツバキ(C. japonica)に比べて樹高が低く、雪によって倒伏し、地面を這うように密生する。クローン繁殖の有無は両種を分ける重要な生態的特徴とされている。ジェネットの数、ジェネットの空間分布、そしてジェネットの遺伝的多様性は、クローン繁殖する植物集団の個体群動態に重要な役割を果たす。そこで本研究では、新潟県内のツバキ林6集団(ヤブツバキ3集団、ユキツバキ3集団)において約20m間隔でサンプリングした個体を用いて遺伝的多様性の指標となるRs(アレリックリッチネス)を算出した。次に、上記の集団内に10m×10m(ヤブツバキ1集団のみ25×25m)のプロットを作成し、クローン構造の解析を行った。EST-SSRマーカー14座を用いた解析の結果、ユキツバキ(Rs:5.15-5.73)の方がヤブツバキ(Rs:6.16-7.63)よりも遺伝的多様性が低いことと、ユキツバキではすべての集団で複数のジェネットが検出され、10m四方に広がる巨大なジェネットが存在する集団もあることが明らかになった。2018年秋に、各集団から果実のサンプリングを行った。発表では、集団の遺伝的特徴が種子形成に及ぼす影響も議論する。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001288137442560
  • NII論文ID
    130007645344
  • DOI
    10.11519/jfsc.130.0_281
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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