原発事故3年後の針葉樹3種の幹材における<sup>137</sup>Cs・<sup>133</sup>Cs濃度の放射・垂直分布

DOI
  • 大橋 伸太
    (国研)森林機構 森林総合研究所木材加工・特性研究領域 (国研)森林機構 森林総合研究所震災復興・放射性物質研究拠点
  • 黒田 克史
    (国研)森林機構 森林総合研究所木材加工・特性研究領域
  • 藤原 健
    (国研)森林機構 森林総合研究所森林バイオ研究センター
  • 高野 勉
    (国研)森林機構 森林総合研究所震災復興・放射性物質研究拠点

書誌事項

タイトル別名
  • Radial and vertical distributions of <sup>137</sup>Cs and <sup>133</sup>Cs concentrations in woods of 3 species 3 y after the FDNPP accident

抄録

<p>福島原発事故による樹幹木部中の放射性セシウム(137Cs)の汚染状況を明らかにするため、樹幹の放射方向及び垂直方向の137Cs濃度分布を調べ、一部試料で安定セシウム(133Cs)濃度分布も調べた。原発事故の約3年後にスギ6個体、ヒノキ3個体及びカラマツ2個体を伐倒し、樹幹の異なる高さより円板を採取した。円板は放射方向2 cm毎に分割し、それぞれを粉砕・乾燥した。137Cs濃度はGe半導体検出器を用いて、133Cs濃度はICP-MSを用いて求めた。多くの個体に共通して心材の137Cs及び133Cs濃度が樹幹の上方ほど高いという傾向が見られた。スギとヒノキでは既報と同様に辺材よりも心材で137Cs濃度が高いという当該樹種特有のパターンが見られたが、個体や樹幹位置によっては辺材の137Cs濃度の方が高かった。一方、カラマツではいずれの円板でも心材よりも辺材で137Cs濃度が高かった。137Cs/133Cs濃度比を調べたところ、辺材最外部と比較して心材で低いもの、同程度のもの、高いものといずれのケースもあり、これらの違いは137Csの心材への移行の程度や経路の違いを反映したものだと考えられた。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763114155776
  • NII論文ID
    130007645384
  • DOI
    10.11519/jfsc.130.0_370
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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