広葉樹二次林と針葉樹人工林の境界域における外生菌根性実生の局所分布

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タイトル別名
  • Fine scale distribution of ectomycorrhizal seedlings in boundary area between broad leaved forest and conifer plantation

抄録

<p> 外生菌根(以下、ECM)菌は、共生する実生の養分吸収や耐病性を向上させる。このことから、土壌中のECM菌の有無は、ECM性実生の定着に影響を与える。日本の自然林で優占することの多いブナ科、カバノキ科、マツ科の樹木はECMを形成する。一方、人工林の大部分を構成するスギ、ヒノキはアーバスキュラー菌根を形成し、共生する菌類が異なる。また、自然林と人工林のように菌根タイプの異なる森林では、土壌中の菌根菌群集も変化する。自然林内と比較して、人工林内ではECM菌の密度が希薄になることから、ECM菌の局所的な分布が人工林内でのECM性実生の定着に関与することが考えられる。自然林と人工林が隣接する場所(境界域)では、自然林から人工林に向かって、樹木種子が供給されやすいことがわかっている。本研究では境界域に着目し、ECM性樹木であるコナラが優占する広葉樹二次林と、ヒノキ人工林の境界域において、土壌中のECM菌の分布とECM性実生の分布を調査した。その結果、人工林の土壌中から検出されたECM菌の半数以上が、隣接した広葉樹二次林のECM菌と同様であった。また、各林分で採取した実生のECM菌組成は、各林分の土壌中のECM菌組成と類似する傾向が見られた。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001288137456000
  • NII論文ID
    130007645506
  • DOI
    10.11519/jfsc.130.0_447
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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