日本で発見されたナミダタケモドキの新たな隠蔽種

  • 太田 瞳
    東京大学大学院農学生命科学研究科
  • 松下 範久
    東京大学大学院農学生命科学研究科
  • 原口 竜成
    東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林秩父演習林
  • 山田 利博
    東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林秩父演習林
  • 福田 健二
    東京大学大学院農学生命科学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • A new cryptic species of the dry rot fungus <i>Serpula himantioides</i> found in Japan

抄録

<p> 茨城県や埼玉県において、ナミダタケモドキによるサワラの根株心材腐朽被害が確認されている。近年の分子系統学的研究により、海外産のナミダタケモドキには5つの隠蔽種があることがわかっている。本研究では、日本産のナミダタケモドキと既知の5系統との系統関係を明らかにするため、分子系統解析を行った。茨城県と埼玉県のサワラ罹病木、そして北海道のトドマツから分離されたナミダタケモドキ各1菌株からDNAを抽出し、28S rDNA 領域の一部と5.8S rDNAを含むITS全領域、β-チューブリン領域の一部、熱ショックタンパク質領域の一部の塩基配列を決定した。得られた塩基配列と海外産ナミダタケモドキの国際塩基配列データベース登録配列を用いて、最大節約法、最尤法、ベイズ法により系統樹を作成した。その結果、日本産の3菌株は、いずれの方法で作成した系統樹においても、既知の5系統とは独立した1つのクレードを形成した。ゆえに、日本産のナミダタケモドキは、海外産のナミダタケモドキとは異なる新たな隠蔽種に属するものと推測された。</p>

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763112388864
  • NII論文ID
    130007645520
  • DOI
    10.11519/jfsc.130.0_443
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
    • Crossref
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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