樹幹の凹凸がカシノナガキクイムシの穿孔に及ぼす影響

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of bark surface asperity on boring activity of the ambrosia beetle <i>Platypus quercivorus</i>

抄録

<p>カシノナガキクイムシは樹木に穿孔し、菌を媒介することでナラ枯れを引き起こす。その穿孔は樹幹上の溝に多いことが観察されており、穿孔位置の決定には樹幹の凹凸構造が関わっていると考えられる。これを検証するため、野外調査と室内実験を行った。野外調査では、穿孔位置とそれ以外の位置の構造を比較するために、コナラとアラカシについて、デプスゲージを用いて穿孔位置と穿孔を受けていない位置の深さを測った。その結果、コナラの方がアラカシよりも樹幹が粗いこと、両樹種において穿孔位置の方が穿孔を受けていない位置よりも深いことが分かった。室内実験では、角度と幅を変えた21パターンの溝を施したホワイトオークの材をプラスチック容器に入れ、それぞれに対してフライトミルで飛翔させた後のオス成虫を1個体ずつ放って30分間観察し、溝を探るかどうか、溝にとどまるかどうか、溝に穿孔するかどうかを調べた。その結果、主に溝の角度が穿孔活動に影響を及ぼし、角度が小さいほど溝にとどまる確率も穿孔する確率も高いことが分かった。以上より、カシノナガキクイムシは樹幹の凹凸を認識したうえで樹幹の凹部に好んで穿孔していることが示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報

  • CRID
    1390845713067013120
  • NII論文ID
    130007645543
  • DOI
    10.11519/jfsc.130.0_420
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ