大学改革は研究活動を改善したか

書誌事項

タイトル別名
  • Has University Reform Improved University Research Activities?
  • ダイガク カイカク ワ ケンキュウ カツドウ オ カイゼン シタ カ

この論文をさがす

抄録

<p> 1990年代以降の研究活動の改革を含む大学改革は,3つの理念により先導されてきた.第1は1990年代前半からの「基礎研究シフト」や博士後期課程の拡大などによる拡大モデルである.これは,90年代半ばから徐々に,イノベーション・モデルとも呼ぶべき,科学技術と社会経済的価値との関連性を重視した改革モデルと,ニューパブリック・マネジメント・モデルとも呼ぶべき改革モデルに置き換えられていく.改革は,90年代には大学の研究活動を拡大する方向に働いたが,2000年代には改革の成果があがっているとは言いがたい.むしろ,大学間格差の拡大,ポスドクの増加などが顕在化し,「選択と集中」の方向性は妥当なのか,システムに矛盾はないのか,制度的な対応に偏りすぎていないか,などの問題に直面している.</p>

収録刊行物

  • 高等教育研究

    高等教育研究 12 (0), 131-154, 2009-05-23

    日本高等教育学会

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ