肋骨骨軟骨移植術と橈骨短縮骨切り術を併用した重症肘関節離断性骨軟骨炎の1例

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  • Costal Osteochondral Autograft Associated with Corrective Osteotomy of Radius for Severe Osteochondritis Dissecans of the Elbow; A Case Report

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抄録

<p> 12歳男性.9歳時に右上腕骨小頭部OCDを発症.12歳時に他院で関節鏡視下遊離体切除術を施行したが,疼痛,可動域制限が持続し当院へ紹介された.初診時,肘関節伸展-30度,屈曲110度,回内外で橈骨頭部の疼痛が増強した.X線像で小頭に20mm大のOCD病変による骨欠損と橈骨頭肥大による腕橈関節不適合を認めた.</p><p> 手術は前医手術6か月後に施行した.CTによる3次元骨モデルでは健側に比べ橈骨頭は肥大し,その関節面は近位へ位置していた.シミュレーションをもとに,橈骨近位部で短縮骨切りし,小頭は肋骨骨軟骨柱を移植し,関節面を再建した.</p><p> 術後1年では肘関節可動時痛はなく,肘関節伸展0度,屈曲130度.前腕回内は40度と可動域制限が残存したが生活に支障はない.</p><p> 進行したOCDで肥大した橈骨頭が近位に位置している場合,通常の再建術は困難であり,橈骨短縮骨切り術を併用した関節面の再建を試み,良好な短期経過を得た.今後も観察が必要である.</p>

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