評価と予算の連動メカニズムの実証分析――予算編成過程における行政評価情報の利用度の規定要因――

書誌事項

タイトル別名
  • An Empirical Analysis on Mechanisms Linking between Performance Measurement and Budget Process: Determinants of Use of Performance Measurement Information in Budgeting
  • ヒョウカ ト ヨサン ノ レンドウ メカニズム ノ ジッショウ ブンセキ : ヨサン ヘンセイ カテイ ニ オケル ギョウセイ ヒョウカ ジョウホウ ノ リヨウド ノ キテイ ヨウイン

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抄録

<p>本研究の日的は,都市自治体を対象に予算編成過程における行政評価情報の利用度がどのような要因によって決定されるかについて,その規定要因を計量的な分析手法によって明らかにすることである。</p><p>本研究では,筆者が実施した全国自治体調査のデータを用いて赤池情報量規準(AIC)により分析を行った。その結果,予算編成過程において財政担当部門による行政評価情報の利用度を決定する要因として主に次の6点が明らかとなった。第1に,予算編成に行政評価を先行させるなど意思決定の手順を調整することである。第2に,行政評価担当部門が行う各担当課ヘのヒアリングに財政担当部門が同席したり,ヒアリングとは別に定期的に協議することで情報の共有化を図ることである。第3に,評価システム導入後の経過年数が大きく関係することである。第4に,事務事業評価では評価と予算のシート統合化や事業単位の整合化だけでなく,評価結果と予算措置との関係を予めルール化したり,フルコストに近いコスト算定を行ったりすることである。第5に,施策評価では事業間の優先順位づけを行うことである。第6に,施策評価は事務事業評価と合わせて実施することである。これらの結果から,評価と予算の連動のためには行政評価担当部門と財政担当部門の緊密な連携の必要性が示唆された。</p>

収録刊行物

  • 公共政策研究

    公共政策研究 11 (0), 71-84, 2011-12-10

    日本公共政策学会

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