欧州における再生可能エネルギー政策の展開

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  • The European Framework for Promoting Renewable Energy
  • オウシュウ ニ オケル サイセイ カノウ エネルギー セイサク ノ テンカイ

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抄録

<p>欧州においては,1990年代後半から再生可能エネルギーの普及が気候変動対策の重要な要素として位置づけられ,制度的枠組みが形成されてきた。再生可能電力指令では,再生可能エネルギーに関するグリーンペーパー,ホワイトペーパーに関する討議を経て,一次エネルギーの12%を再生可能エネルギーでまかなうことを満たす政策目標(2010年までに電力の22.1%を再生可能エネルギー源によってみたす)が設定された。だが,この数値目標は義務的なものではなく,指示的なものとされた。加えて,欧州内での協力の枠組みが形成されないという問題が残った。その後,再生可能エネルギー政策は,欧州共通エネルギー政策を形成する新たな流れのなかで,よりいっそう高い位置づけが与えられた。こうした流れにそって,2007年に出された「再生可能エネルギー・ロードマップ」においては再生可能エネルギーに関する新しい指令を定めることが示された。新しい司令では,再生電力指令の欠点が克服され,数値目標は義務的なものにされることになった。2008年1月には新しい「再生可能エネルギー指令」案が欧州委員会によってだされた。欧州委員会の意図するグリーン証書取引は指令に含まれる可能性は低いが,欧州共通の政策協力のための枠組みについては形成されるとみられる。こうした指令ができれぼ,ドイツ,デンマーク,スペインなど,個別の国で成功していた再生可能エネルギー普及が欧州全体に爆発的に進む可能性がある。</p>

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