教育はなぜ脱政治化してきたか

書誌事項

タイトル別名
  • Why education has been depoliticized in Japan:
  • 教育はなぜ脱政治化してきたか : 戦後史における1950年代の再検討
  • キョウイク ワ ナゼ ダツセイジカ シテ キタ カ : センゴシ ニ オケル 1950ネンダイ ノ サイケントウ
  • Rethinking the politics of education in the 1950s
  • ―戦後史における1950年代の再検討―

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抄録

<p>これまでの政治学・教育学では, 1950年代を教育において文部省対日教組による保革のイデオロギー対立が激化した時期であると捉えることが一般的であった。それに対し本論は, そうした表面上のイデオロギー対立が注目される中で, その底流ではこの時期に教育の脱政治化が進行していったことに焦点を当てて, 教育行財政の制度と地方教育行政の実態がむしろ脱政治化へと向かったことを歴史的な検証から明らかにすると同時に, 教育行財政の制度・実態だけでなく, 現場の教育実践のレベルにおいても, この時期に脱政治化の萌芽が生じてそれが進行してきたことを示した。具体的には, 教育行財政の制度面 (2節), 教育関係団体秩序の側面 (3節), そして教育運動, 教育実践の側面 (4節) から論証した。以上の作業を通じ, 1950年代の教育政治について通説とは異なる理解を提示すると同時に, 教育が政治化する陰で, 現在に至る教育の脱政治化への転換点が1950年代に埋め込まれていたことを明らかにした。</p>

収録刊行物

  • 年報政治学

    年報政治学 67 (1), 1_31-1_52, 2016

    日本政治学会

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